1次試験の合格率はおおむね20〜30%

中小企業診断士試験は、マークシート式の第1次試験と、記述式の第2次試験の二段階で構成されます。 試験機関(日本中小企業診断士協会連合会)が公表している統計によると、直近の1次試験の合格率は次のとおりです。

年度 受験者数(全科目受験) 合格者数 合格率
令和5年度 18,755人 5,560人 29.6%
令和6年度 18,209人 5,007人 27.5%
令和7年度 18,360人 4,344人 23.7%
令和8年度 17,829人 4,099人 23.0%

コロナ禍前後には30〜40%台まで上がった年もありましたが、直近2年は20%台前半で推移しています。 1次試験は「上位何%」を採る相対評価ではなく、総点数の60%以上かつ1科目でも40%未満がないという絶対基準です。 そのため合格率は年度の難易度によって上下します。運任せではなく、420点(7科目受験なら)を確実に取りに行く設計が要ります。

2次試験の合格率はほぼ18%前後で安定

2次試験の合格率は長年18〜20%程度で安定しており、令和7年度は受験者7,044人に対し合格者1,240人で17.6%でした。 1次と違い、こちらは実質的に受験者の上位層が通る試験になっています。合格基準の文言は1次と同じく「総点数の60%以上、かつ1科目でも40%未満がないこと」です。

なお令和8年度から第2次試験の口述試験は廃止され、筆記試験のみになりました(規則改正による)。 あわせて受験手数料も改定され、1次17,200円・2次15,100円(いずれも別途決済事務手数料)となっています。

ストレート合格率が低いのは「関門が2つある」から

1次と2次を1年で通す、いわゆるストレート合格の難しさは、単純に確率を掛け合わせるとイメージできます。 令和8年度の1次23.0%と令和7年度の2次17.6%を単純にかけると約4%です(同一集団の追跡値ではないため、あくまで目安)。 難しさの正体は次の3点に分解できます。

  1. 範囲が広い: 1次は経済学から法務・情報システムまで7科目。1科目でも40点を割ると他が満点でも不合格。
  2. 試験の質が変わる: 1次は知識の再認、2次は与件文から因果をつくって80字前後で書く記述試験。求められる力が別物。
  3. 時間が短い: 1次合格発表(9月上旬)から2次筆記(10月下旬)まで2か月弱。1次学習中から2次を意識していないと間に合わない。

科目ごとの難易度差は大きい

令和8年度の科目別データを見ると、科目受験者に対する科目合格者の比率は科目間で大きく開きます。 たとえば企業経営理論は15,750人中5,179人、経済学・経済政策は16,777人中1,433人でした。 ただしこの「科目合格者数」には試験合格者(7科目で総合合格した人)が含まれないため、実際の得点率60%以上の割合はもう少し高くなります。 それでも年ごとに難易度が跳ねる科目があるという事実は変わらず、経済学・経営法務あたりは年度差の大きい科目として知られます。

他資格と比べた位置づけ

合格率だけを見れば、税理士や司法書士のような超長期型の難関資格ほど低くはありません。 一方で、7科目の1次に加えて記述の2次があること、合格後に登録要件(実務補習や実務従事)があることを含めると、 必要な総学習量は「1年で片手間に取れる資格」とは明確に別のラインにあります。 受験者層も、令和8年度は申込者の63.7%が民間企業勤務、年齢は30〜50代で約77%を占めており、働きながら数年かけて取りに行く人が中心です。

まとめ

  • 1次は絶対評価で合格率20%台、2次は18%前後で安定
  • ストレート合格は単純計算で数%程度、関門が2つあることが難しさの本体
  • 令和8年度から口述試験は廃止、2次は筆記のみ
  • 科目間の難易度差は大きく、苦手科目の40点割れ対策が最優先

数字に振り回されるより、「総点60%・全科目40点超」を満たす自分の得点計画を先に作るほうが近道です。