2次試験は「4事例・各80分」の記述試験
第2次試験は、中小企業の診断および助言に関する実務の事例について、筆記の方法により行われます。 1日で事例A〜D(受験界では事例I〜IVと呼ばれます)の4事例を解く構成で、各80分・各100点満点です。
| 時間 | 事例 | 通称 | 主なテーマ |
|---|---|---|---|
| 9:40〜11:00 | 事例A | 事例I | 組織・人事 |
| 11:40〜13:00 | 事例B | 事例II | マーケティング・流通 |
| 14:00〜15:20 | 事例C | 事例III | 生産・技術 |
| 16:00〜17:20 | 事例D | 事例IV | 財務・会計 |
合格基準は1次と同じ考え方で、総点数の60%以上、かつ1科目でも満点の40%未満がないことです。 1事例でも大崩れすると他が良くても届かない構造なので、「苦手事例を作らない」ことが最優先になります。
受験できるのは、その年度の1次試験合格者と、前年度の1次試験合格者です。 つまり1次合格の権利は2年間有効で、初年度に2次が不合格でも翌年はもう一度2次から挑戦できます。
令和8年度から口述試験は廃止された
従来、2次試験は筆記試験に合格した人が口述試験(面接形式)を受け、そこで最終合格が決まる仕組みでした。 しかし規則改正により、令和8年度から第2次試験における口述試験は廃止されました。 試験の安定的な実施、受験者の負担軽減、経費削減などが理由として説明されています。 あわせて受験手数料も改定され、1次17,200円・2次15,100円(総額は従来と同じ)になりました。
古い記事や書籍には「筆記合格後に口述がある」と書かれていますが、現在は筆記のみです。情報の年度に注意してください。
1次のどの科目が2次に直結するか
2次試験は1次で学んだ知識を「使う」試験です。対応関係はおおよそ次のとおりです。
- 企業経営理論 → 事例I・II: 組織構造、人的資源管理、競争戦略、マーケティングの基本概念がそのまま解答の語彙になります。
- 運営管理 → 事例III: 生産計画・生産統制、5S、レイアウト、DRINK(情報共有)などの改善の型が骨格になります。
- 財務・会計 → 事例IV: 経営分析、CVP、NPV、キャッシュフロー計算が計算問題として直接出ます。1次との距離が最も近い事例です。
- 経営情報システム・中小企業政策 → 補助的: 助言の選択肢を広げる材料として効いてきます。
逆に言えば、経済学や経営法務は2次への直結度が低い科目です。 学習配分を考えるとき、この差は無視できません。企業経営理論・運営管理・財務会計の3科目は、1次で「暗記して忘れる」のではなく残す前提で学ぶ価値があります。
1次学習中から意識しておくべき3つのこと
1. スケジュール上、後回しにできない 1次試験は例年8月上旬、合格発表は9月上旬、2次筆記は10月下旬です。 1次合格を確認してから2次対策を始めると、実質2か月弱しかありません。1次学習中に週1本でも事例に触れておくと、この時期の立ち上がりがまるで違います。
2. 「選べる」ではなく「書ける」状態にする 1次はマークシートなので、選択肢を見て思い出せれば得点できます。 しかし2次は与件文の情報を根拠に、40〜120字程度で因果を書く試験です。 1次の過去問を解くときに、正解以外の選択肢について「なぜ誤りか」を口に出して説明する習慣をつけておくと、そのまま2次の記述力になります。
3. 事例IV(財務)は毎日触る 事例IVは計算主体で、対策量が点数に最も素直に反映される事例です。 同時に、手を止めると精度と速度が落ちる科目でもあります。1次の財務・会計を学ぶ段階から、毎日15分でも計算に触れる習慣を作っておくと、2次で最大の武器になります。
まとめ
- 2次は事例A〜Dの4事例、各80分100点、合格基準は総点60%かつ40点未満なし
- 令和8年度から口述試験は廃止、筆記のみ
- 1次合格の権利は2年間有効
- 2次直結科目は企業経営理論・運営管理・財務会計。1次のうちから「書ける」水準を意識する