まず用語を「時間の絵」で理解する

信頼性の計算問題は、公式の丸暗記よりも「時間軸の絵」で覚えると忘れません。システムは「動いている → 壊れる → 直す → また動く」を繰り返します。このとき、

  • MTBF(平均故障間隔): 動いている時間の平均。「Between Failures=故障と故障の間」なので、稼働している長さです。
  • MTTR(平均修復時間): 壊れてから直るまでの時間の平均。「To Repair=修理まで」です。

つまり1周期は「MTBF+MTTR」で、そのうち動いていた割合が稼働率になります。

稼働率の公式

稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)

分母を「MTBFだけ」にしてしまう間違いが最も多いので、「分母は1周期=動いた時間+直した時間」と口に出して確認しましょう。

例: MTBFが480時間、MTTRが20時間なら、480 ÷(480+20)= 0.96 です。

逆に、稼働率と一方の値から他方を求める問題も出ます。稼働率0.96・MTBF480時間なら、480 ÷ 0.96 = 500 が1周期なので、MTTR = 500 - 480 = 20時間と逆算できます。

直列と並列の計算

複数の装置を組み合わせたシステムの稼働率は、つなぎ方で式が変わります。装置A・Bの稼働率をそれぞれ a、b とすると、

構成 条件
直列 両方が動いていないと使えない a × b
並列 どちらか一方が動いていれば使える 1 -(1 - a)(1 - b)

並列の式は「両方同時に壊れる確率を1から引く」という意味です。a=b=0.9なら、直列は0.81、並列は 1 -(0.1 × 0.1)= 0.99 になります。直列は掛けるほど下がり、並列は増やすほど1に近づくという方向感を持っておくと、計算ミスに気づけます。

覚え方のコツ

  1. 「MTBFは動く時間、MTTRは直す時間」。BetweenとRepairの頭文字で判別する。
  2. 稼働率の分母は「足す」。MTBF ÷ MTBF は1になってしまうので、分母に修復時間を足す必然性を思い出す。
  3. 並列は「1から不稼働率の積を引く」。不稼働率(1 - 稼働率)を先に計算してから掛けると桁ミスが減る。
  4. 3台以上の並列も同じで、1 -(1-a)(1-b)(1-c)と不稼働率を掛け続けるだけ。

学習のコツと出題の傾向

計算問題は毎年1〜2問程度ですが、公式を知っていれば確実に取れる得点源です。過去の出題では、単純な稼働率の算出だけでなく、直列と並列を組み合わせた構成図から全体の稼働率を求める形式や、MTTRを短縮する施策(予備機の用意、保守契約の見直し)と稼働率向上を結びつける記述問題も見られます。

学習の際は、数値を変えた問題を自作して3回解くのがおすすめです。480と20、720と30、900と100のように「きりのいい組」で暗算練習をしておくと、本番で電卓なしでも慌てません。計算に自信がついたら、EVMの計算(CV=EV-AC、CPI=EV÷AC)とセットで復習して、経営情報システムの「計算で稼ぐ2問」を固めましょう。